*wakaba001  野望…? \ 【知彦】 「そう…@ dwave 1,"se\dageki2.ogg" quake 5,500;//エフェクト:画面シェイク  野望だッーーー!!」 \ br  この世は荒野だ!  唯一野望を実行に移す者のみが、  この荒野を制することが出来るのだ!! \ br  そのためには、とりあえず手芸だ!!! \ 【知彦】 「おおお、なんだか燃えてきたぞ!」 \ br  早速俺は学校へと向かった。  全ては野望のために! \ bg black,10 ;//背景:学校 dwave 1,"se\chaim.ogg" br  …とりあえず学校に来てみたものの…。  さすがに部活の顧問の先生はいるだろうが、  俺が望むあの人はいるのだろうか? \ 【知彦】 「ん?!」 \ br  天佑とはこのことか!  俺が望むその人が、こちらに向かってくるではないか。 \ 【知彦】 「おはようございます。ぶしつけで失礼ですが、  これを見ていただけますか?」 \ br  俺がそういうと、  目の前の先生は不機嫌そうに眼鏡を手で揺らす。 \ br  この先生。  入学してから一度も名前で読んだことがない。  なぜならば、 \ br  俺はこの先生が何て名前なのか知らないからだ。 \ br  しかし俺の計画書では、  まさにこの先生を顧問とせよと書かれている。 \ br  きっと過去の俺には  何かの狙いがあってのことなのだろう。 \ br  きっとそうだ。きっと。  だからこそ、こうしてこの先生に  白羽の矢を立てたのだ。 \ 【先生】 「こんなところでか?」 \ br  眼鏡の奥からは、  どこか警戒するような視線が送られてくる。  無理も無い。 \ br  たいして知りもしない生徒から  大学ノートをつきつけられたのだから。  しかも、こんな昇降口のまん前で。 \ 【知彦】 「こんなところでです」 \ 【先生】 「よし、読もう」 \ br  不機嫌そうな顔をしながらも、  先生はゆっくりと首を縦に振る。  やはり過去の俺の狙いは正しかった。 \ br  計画書を手渡すと、  名も知らぬ先生は立ったままで熟読を始める。 \ 【知彦】 「…」 \ 【先生】 「…」 \ br  何時間にも感じられる緊張した時間が流れた。 \ br  先生は計画書を最後まで読むと、  俺にノートを付き返してくる。 \ 【知彦】 「ど、どうですか先生!」 \ 【先生】 「お前の情熱はよく分かった」 \ 【知彦】 「そ、それじゃ…!」 \ 【先生】 「情熱は認める、  しかし情熱だけではどうにもならない事もある」 \ 【知彦】 「う…」 \ br  なにやら雲行きが怪しくなってきたな…。 \ 【先生】 「お前が手芸部を作りたいというのはわかった。  だが諦めろ」 \ 【知彦】 「そ、そんな…!一体どうして…」 \ 【先生】 「空いている部室が無いからだ」 \ 【知彦】 「え?」 \ br  そ、そんなバカな…! \ 【先生】 「たしかに一年前まで、  お前のノートに書いてある部室は空だった。 \ br  だが今そこには超常現象研究会という  クラブが入っている。  作ったのは確か、スメラギとかいう転入生だったか」 \ 【知彦】 「なんですかそりゃ!  他には空いている部室は…そ、そうだ!  なんなら普段の教室でもいいんですよ!?」 \ 【先生】 「それはダメだ。  いまこの学校には空いている部室は無い。 \ br  それに校則で  一般の教室を部室にすることはできないはずだ。 \ br  体育会系の部活動には特例もあっただろうが、  手芸ではな」 \ 【知彦】 「…」 \ 【先生】 「クラブ活動もいいが学生の本文は勉強だ。  それを忘れるな」 \ br  先生が俺の肩にそっと手を置く。  俺は、しばらくそこから動けなかった。 \ 【知彦】 「ま、まあ…部活じゃなくても手芸は出来るか…」 \ br  どうにか自分を納得させ、  立ち直った俺はとぼとぼと帰路に付いた。  何もしていないのに、妙に汗が吹き出る。 \ br  きっとこの暑さのせいだ。 \ 【知彦】 「ああ…はやくクーラーを浴びたいね」 \ bg "haikei\h0004.jpg",10 ;//背景:知彦自室 【知彦】 「ふぅ…」 \ br  やはりクーラーのある部屋は落ち着くな…。 \ 【知彦】 「…なんか…疲れたな」 \ ;シーン終了 ;内容:柳沢若葉固定シナリオNo. (ver 1.00) ;シナリオ名:「手芸教室@(若葉.1)」 ;ゲーム内カレンダー:8月3日 ;シナリオ条件:8月2日に「手芸部計画頓挫」を見ている。 ;(本文中(※)印イベントは省略しても可) ;(本文中(△)印イベントは別イベントの代用でも可) dwavestop 0 textoff bg white,10 bg "accessory\days03.jpg",10 wait 2000 bg white,10 texton ;本文: ;【シナリオ開始】 bg black,10 ;//背景:非表示 br  …。 \ br  目覚まし時計が鳴る前に目が覚める。@  起きたばかりだというのに、  はっきりと頭が働いているのがわかる。 \ br  全身を駆け抜ける心地よい緊張。@  天井を眺めたまま、大きく深呼吸する。 \ br  そう。@  いよいよ、この日がやってきたのだ。 \ 【知彦】 「この俺が、真の雄(オトコ)になる日が!」 \ br  布団を足で跳ね飛ばし、ゆっくりと上半身を起こす。@  何気ない一挙一動に力が篭る。 \ ;//SE:カーテンを開ける音 bg "haikei\h0004.jpg",10 ;//背景:知彦自室 br  窓をあけると、夏の眩しい日差しが俺の顔を照らす。  まさに快晴。 \ 【知彦】 「フハハハハ!見ろ、@天も我が覇道を祝福しておる」 \ br  腰に手を当てたまま、意味もなく高笑いを飛ばす。 \ 【知彦】 「フハハハハ…@はぁ〜…」 \ br  …空しい。 \ br  ひとり三文コントを終わらせた俺は、  今日の作戦を頭の中で反復することにした。 \ br  1年越しの計画があっさり頓挫した俺は、  あたらしい作戦を考えていた。@  その作戦とは「手芸教室潜入作戦」。 \ br  ようするに町の手芸教室に入って、  俺の手芸欲を満たすという作戦だ。 \ br  この作戦は「ある一点」を除いては、  実に理想的な作戦だ。 \ br  もっともそのせいで「手芸部立案計画」の  後手に回ったのだが。 \ br  「ある一点」とは@  「奥様方に混じってやるのが恥ずかしい」  という理由だ。 \ br  あと月謝とかの金銭問題。@ようするに、まあ、  そういうことだ。 \ br  しかし『手芸部立案計画』が頓挫した今となっては、  背に腹は変えられない。 \ br  きっとこれは、大宇宙の意志が俺に与えた  メッセージなのだろう。 \ 【大宇宙の意志】 「恐れるな!@雄(オトコ)になれ、知彦!」 \ 【知彦】 「ああ、わかってる!@もう俺は迷わない!@  駆り立てるのは野心と欲望!我が一生に  一片の悔い無し!」 \ br  右腕を天に高々と上げたところで、  部屋に姉貴がいることに気が付いた。@  部屋の空気が一瞬にして凍りつく。 ;//SE:小鳥の囀り(※) ;//立絵:知子:中央:通常 vsp 46,1 :ld c,":a;cara\tomoko.002.jpg",10 ;//立絵:知子:中央:呆れ \ 【知子】 「…」 \ 【知彦】 「お姉さま、いつからそこに?」 \ 【知子】 「……」 \ br  無言で俺を見つめる姉貴。@  その目はまるで「頭のかわいそうな人」を見るような、  優しい目つきだった。 \ br  …いや、実際に「頭のかわいそうな人を見ている目」  を見たことは無いが。 \ 【知彦】 「誤解だぞ姉貴。@  朝早くから大声で騒いでいるからってだな…。 \ br  おっ…俺は決して頭がカーニバルに  なったわけではないからな?@  いたって、せ、正常だからな?」 \ 【知子】 「…」 \ br  動揺のあまりついつい言葉が乱れてしまう。  やばいな、これじゃ本当に頭が  幸せな人みたいじゃないか。 \ 【知彦】 「違う…ッ!@俺は正常…正常…ッ!@  信じて…俺を信じろ…ッ!」 \ 【知子】 「…」 \ vsp 46,0 ld c,":a;cara\tomoko.003.jpg",10 ;//立絵変更:知子:中央:笑 br  にこっ \ 【知子】 「うん、おねーちゃんは信じてるよ〜。@  ともちゃんはちょ〜っと具合が悪く  なっちゃったんだよね〜? \ br  だからおねーちゃんとお医者さん行こうね〜?」 \ 【知彦】 「信じてねえっ!@  つうか、どこも悪くないのに病院なんて行けるか。」 \ 【知彦】 「だいたい今日は俺が雄(オトコ)になる大事な日だぞ?@  それも恥を忍んで、奥様方に頭下げて、 vsp 46,1 :ld c,":a;cara\tomoko.002.jpg",10  お金を払ってだなぁ…」 \ br  大声で言ってから気が付いた。 \ br  あれ…?@  なんか俺のさっきの台詞、  誤解を与えるほどに危なくねえ? \ br  空気がふたたび温度を取り戻し、  姉貴の周りで急激に渦を巻く。@  …やられるっ! \ ;//立絵変更:知子:中央:怒 ;//SE:打撃音 dwave 1,"se\ClapB.ogg" quake 5,500;//エフェクト:画面シェイク 【知彦】 「あがっ!」 \ 【知子】 「んなもん、いちいち報告すんなっ!@死ね、@  バカスケベ!」 \ vsp 46,0 cl c,10;//立ち絵:知子:消去 bg black,6 ;//画面:黒 ;//立絵消去:知子:消去 dwave 1,"se\door2.ogg";//SE:ドア閉まる音 \ 【知彦】 「……」 \ br  壮大な作戦の前には逆境がつきものだ。@  少々手荒い二度寝につきながら、俺はそう思った。 \ br  ……。 bg "haikei\h0005.jpg",10;//背景:住宅街 \ br  気が付くと俺は手芸教室のパンフレットを片手に  街中に立っていた。@  どうやら朦朧とする意識でここまで辿り着いたらしい。 \ 【知彦】 「むぅ……」 \ br  色々思い出そうとしたが、  目の前に手芸教室があったので  考えるのをやめた。 \ br  時計を見ると9時半。パンフレットによれば、  開始30分前ということになる。@  大きく深呼吸すると、俺は手芸教室の扉を開ける。 \ bg "haikei\h0025.jpg",10;//背景:住宅街 ;↑時間を12時から午前9時前後に変更しました ;//背景変更:手芸教室 br  会議室くらいの広さに四つ程の大きなテーブルが  並んでいる。 \ br  教室内でなにやら準備をしていた女の人が、  俺に気が付き顔を上げる。@  ここの先生だろうか?@想像していたより若い。 \ 【??】 「あらあら、どちらさまかしら?」 \ br  突然の来訪者にもかかわらず、  ゆっくりと丁寧に話しかけてくる。@  完全な大人の空気に、じわじわと緊張が襲ってくる。 \ 【知彦】 「あ、あの『里見手芸教室』はこちらでしょうか?」 \ 【??】 「ええ、そうですわ。@  ん〜…@教室の方のご家族の方かしら?」 \ 【知彦】 「いえ@。こちらの教室に通いたいと思っているんですが」 \ 【??】 「あらあら」 \ br  その女の人は驚いたように口に手を当てる。@  当然の対応だろう。 \ br  一般的な男子高校生が手芸をやるわけがない。@  手芸教室は普通、奥様が通ってやるものだ。 \ br  だから開始時間も、真昼間の主婦がヒマな  時間が一般的だ。 \ br  だいたいその時間、一般的な高校生は普通に  授業をやっている。@  それを考えると…@ん? \ 【知彦】 「アーッ!」 \ 【??】 「???」 \ br  し、しまった! \ br  今は夏休みだからいいものの、  休みが終わったらどうするんだ?! \ br  開始が10時からって…普通に授業中じゃねえか!  う〜む… ;//選択肢1.逃げる(若葉フラグ消滅2.困る \ select "逃げる",*rin006,"困る",*wakaba002 \ ;【選択肢 .逃げる選択時】 \ ;選択肢 .困る選択時 *wakaba002 gosub *window4 【知彦】 「実は俺、高校生なんですよ」 \ 【??】 「あら、お若いのに手芸に興味がおありなんですね。@  関心ですわ」 \ 【知彦】 「別に褒められることでは無いとは思いますけど」 \ 【??】 「いえいえ。@今の時代、殿方も手芸を  嗜むべきなのですわ」 \ 【知彦】 「はぁ…そういうもんですか」 \ 【里見】 「あらあら、自己紹介がまだでしたわね?@  私、ここで手芸を教えております里見ですわ」 \ 【知彦】 「俺、藤枝です。藤枝、知彦」 \ 【里見】 「トモヒコさん?@えっと、どういう字かしら?」 \ 【知彦】 「知識の知に、彦根城の彦…っ  て何書いているんですか?」 \ 【里見】 「あらこれですの?@これは知彦さんの教室カードですわ」 \ br  どうやら俺は、自己紹介中に  教室メンバーになってしまったようだ。  見かけによらず、里見先生は強引な人らしい。 \ 【知彦】 「えっと里見先生?@だから俺、高校生なんですよ」 \ 【里見】 「存じておりますわ」 \ 【知彦】 「ですから、時間的に教室には来れないんですよ。  残念ですけど」 \ 【里見】 「あら?知彦さんはいま、ちゃんとここに  いらしてますわよ?」 \ br  俺の言いたいことが伝わらないのか、  里見先生は不思議そうに首をかしげる。 \ 【知彦】 「えっと…じゃあ今日は見学という形でもいいですか?」 \ 【里見】 「あらあら、せっかくですから知彦さんもなさったら?」 \ 【知彦】 「え、あの…はい。@でも俺、高校生ですから…」 \ 【里見】 「大丈夫ですわ。手芸が好きな方に悪い方はいません。  きっと皆様も、知彦さんを受け入れて下さいますわ」 \ 【知彦】 「はぁ…」 \ br  こうして何だかよく分からないうちに、俺は手芸教室に  通うことになった。 \ br  里見先生に流されるままに  俺は参加することを決意したが… \ br  はたして本当に俺みたいな高校生が手芸教室にいても、  大丈夫なのだろうか。 \ br  いやいや、待てよ俺。 \ br  里見先生、言ってたじゃないか。@  手芸好きに悪人はいないって。@  きっと俺のことだって温かく迎え入れて…。 ;//背景消去:手芸教室:消去 \ br  1時間後───── \ ;//背景:手芸教室 【知彦】 「うう…」 \ br  手芸教室は見事に奥様方ばかりが参加していた。@  たしかに俺の事を追い出そうとするような  悪人はいなかった。 \ br  だが…視線が痛い。 \ 【奥様A】 「ねえ、新人のあのコ。どういうコかしら?」 \ br  俯きながら先生の説明を聞いていると、  奥様方のひそひそ話が耳に入る。 \ 【奥様B】 「きっと自己啓発セミナーとか、  ひきこもり矯正とかの一環よ」 \ 【奥様A】 「まあ本当?@あのコのお母さんも大変ね〜」 \ 【奥様B】 「そうよね〜。@でもよかったじゃない?@ こうしてホラ、外にも出れて」 \ 【奥様A】 「ホントよね〜」 \ br  …。 \ br  どうにもバツが悪いので、  一人教室の隅のテーブルに移動してもらった材料から  フェルトを縫い合わせるという作業に没頭する。 \ br  今月の教室の課題はぬいぐるみ作りだそうだ。  今月しか来れないのだから  せめて完成だけはさせようと決意する。 \ br  …ちくちくちくちく。 \ br  他の教室のメンバーとお喋りしない分  作業がはかどる。 \ br  正直複雑だが、心配されて妙な宗教とかを  勧められるよりはマシか。 \ br  …ちくちくちくちく。 \ ;//立絵:若葉:中央:通常 【??】 「ねえ」 \ 【知彦】 「は、はい?」 \ br  それは突然の事だった。@隣に座っていたおばさ…@  いや、他の奥様よりは一回り若いおねーさん(?)が  俺に話しかけてきた。 \ br  よほど俺が思いつめた顔をしていたのだろうか? \ 【??】 「なによ、その(?)は」 \ 【知彦】 「す、すいません…@っていうかお約束ですけど  心読まないで下さい」 \ 【??】 「顔に書いてるわよ」 \ br  そう言われて、俺はあわてて頬っぺたを押さえる。 \ 【知彦】 「…実際問題、押さえたところで意味無いんですけどね」 \ ;//立絵変更:若葉:中央:笑み \ 【??】 「お約束ね」 \ br  ひとしきり馬鹿げたことをやり合って、  二人でくすくすと笑いあう。 \ br  この教室に来てちょっと後悔していたけど、  少しだけ希望が見えた…@  …ような気がする。 \ bg "event\ev13.jpg",10;//立絵変更:若葉:中央:通常 \ 【??】 「裁縫とか、好きなの?」 \ 【知彦】 「はい」 \ 【??】 「ま、キライならこんなとこには居ないか」 \ 【知彦】 「そりゃそうですよね」 \ 【??】 「でもさ、@  どうせなら友達とか誘ってくればよかったのに」 \ 【知彦】 「おねーさんならどうします?@  ちょっと俺と手芸でもやらないか?  って誘われたらOKします?」 \ 【??】 「丁重にお断りするわね」 \ 【知彦】 「そういうことです」 \ ;//立絵変更:若葉:中央:笑み 【??】 「ははは。@ま、私も似たような境遇なんだけどね〜」 \ br  隣に居るおねーさんと会話が弾んできたところに、  里見先生が来る。 \ br  そして隣のおねーさんの机の上を見て、  ちょっと眉をしかめる。 \ 【里見】 「若葉さん。手がお留守になっていますわよ」 ;//立絵変更:若葉:中央:通常 \ 【若葉】 「う〜ん、どうも手で縫うのは苦手でさ。  ミシンならこうバババ〜ッと終わるんだけど」 \ 【里見】 「この前は機械オンチだと言ってましたわよね?」 \ ;//立絵変更:若葉:中央:不満 【若葉】 「ちぇ、つまんないコト覚えてるんだから」 \ 【里見】 「まったく……あら、知彦さん。@  なかなかお上手ですわね。@  手縫いの技術は、先輩の若葉さんよりも上かしら?」 \ 【知彦】 「あ、あはは…えっと、おねーさんは  若葉さんって名前なんですか?」 ;//立絵変更:若葉:中央:通常 \ 【若葉】 「柳沢 若葉。@名前ほど若くは無いけどね。  ま、里見のセンセよりはふたまわりほど若いけど〜」 \ 【知彦】 「嘘ッ?!@じゃあ先生って一体いくつ…」 \ br  里見先生の聖母のごときおだやかな目が、鈍い光を放つ。 \ 【里見】 「…レディに年齢を聞くのはとても失礼なことですわよ?  それより知彦さんも、若葉さんに自己紹介を  なさったらどうかしら」 \ 【知彦】 「是非そうさせて頂きます。」 \ 【知彦】 「えっと、今日からこの教室で手芸させてもらいます、  藤枝です。@  よろしく柳沢さん」 \ ;//立絵変更:若葉:中央:笑み \ 【若葉】 「若葉でいいよ」 \ 【知彦】 「え…あ…はい」 \ ; /* ここから省略可@ */ ;//選択肢1.「じゃあ…若葉さん」2.「じゃあ…若葉」 select "じゃあ…若葉さん",*wakaba003,"じゃあ…若葉",*wakaba004 \ *wakaba004 ;//立絵変更:若葉:中央: 通常 【若葉】 「…」 \ 【里見】 「…」 \ 【知彦】 「…さん」 \ ;//立絵変更:若葉:中央:笑み ;/* 以下、↓のイベントに続く */ ; /* ここまで省略可@ */ *wakaba003 【知彦】 「俺も知彦でいいですよ。先生にもそう呼ばれてますし」 \ 【若葉】 「ははは。先生は誰でもあんな調子だからね。  う〜ん…そうだ、少年でいいよね?うん、いい響き」 \ 【知彦】 「なんですかそりゃ。確かにまだ10代ですけど」 \ ;【立絵中央変更 若葉(通常)(△)】 【若葉】 「ん?@少年、学校はちゃんと通ってるの?」 \ 【知彦】 「現役高校生です。@引き篭もってもいません」 \ 【若葉】 「じゃあこれから教室はどうするの?@  そりゃ今は夏休みだろうけどさ。@  そのあとは授業とかあるんじゃないの?」 \ br  若葉さん、ナイスコメント!@  それこそが、俺が里見先生に  伝えたかったことなんですよ! \ 【里見】 「あらあら、それでしたら放課後でもいらっしゃいな」 \ 【知彦】 「いいんですか?」 \ 【里見】 「どうせヒマですもの。@  お話し相手になる殿方もいませんし。」 \ 【里見】 「誰かさんとはふたまわりも違いますから、  する事がありませんのよ。フフ」 \ ;//立絵変更:若葉:中央:不満 【若葉】 「あちゃ〜…地雷だったなぁ、さっきの発言」 \ 【里見】 「では知彦さん、@  お休みの間は普段どおりに来ていただけるのかしら?」 \ 【知彦】 「はい、これからもよろしくお願いします」 \ 【里見】 「ええ。@あとの細かい事は、そこにいる私より  ふたまわり若いお姉さんに…」 \ 【若葉】 「せ、先生〜!悪かったよもう」 \ 【里見】 「フフ、じゃあお二人とも頑張って下さいね」 \ br  にこやかに微笑みながら、里見先生は  他のテーブルへと去っていく。 \ br  若葉さんは、バツの悪そうに里見先生の背中を  眺めている。 \ 【知彦】 「そういえば若葉さん」 \ ;//立絵変更:鈴:中央:若葉 【若葉】 「ん、なにかな少年」 \ 【知彦】 「…結局その呼び名は固定ですか。@  あ、いやそうじゃなくて…ここのお金ってその…」 \ 【若葉】 「パンフレットに書いてなかったっけ?」 \ 【知彦】 「俺のには書いて無かったです。@これなんですけど…」 \ 【若葉】 「ああ、それ古い奴だよ。@  えっと…確かこれが新しい奴だったと思うけど」 \ br  若葉さんはテーブルの近くの棚を物色し、  俺に真新しい紙を手渡す。 \ 【知彦】 「すいません、ありがとうございます」 \ br  そこの紙に書かれている金額は、  俺が思っていたよりもはるかに安い。 \ br  材料は自己負担だとしても、  これでやっていけるのかと心配するほどだ。 \ 【知彦】 「これなら、しばらくは続けていけるかな」 \ 【若葉】 「お?本格的に通うつもりだね。@  じゃ、これからもよろしくね」 \ 【知彦】 「あ、はい」 \ br  俺の目の前に差し伸べられる手。@  その手に自分の手を重ねる。 \ br  ごく自然な仕草だったために、  たいして気にもしていなかったのだが…。 \ br  こうして握手してみると、  その柔らかさに意味も無くドキッとしてしまう。 \ 【知彦】 「…」 \ 【若葉】 「あのさ、少年。@  握手したくらいで緊張しなくてもいいと思うけど」 \ 【知彦】 「へ?!@き、ききき緊張なんてしてませんけど?!」 \ ;//立絵変更:若葉:中央:いやらしい笑み 【若葉】 「…ふぅん」 \ br  若葉さんが目を細めて俺に顔を近づけてくる。@  まわりの奥様の香水で分からなかったが、  若葉さんも香水をつけていた。 \ br  それは…なんていうか…@  気分の悪くなるような香りじゃなくて…。 \ 【若葉】 「その反応は、まだまだ私もイケるって事かな?@  そ れ と も…@  少年の女性耐性がなさ過ぎるだけなのかな?@ん〜?」 \ 【知彦】 「か、からかわないでくださいよ…」 \ ;//立絵変更:若葉:中央:笑み 【若葉】 「あははは!@アンタのこと気に入ったよ、少年」 \ 【知彦】 「どうせイジると面白いからとか、  そういう理由ですよね?」 \ 【若葉】 「分かってるじゃない、あははは!」 \ 【知彦】 「ちぇっ」 \ ;//立絵消去:若葉:消去 bg black,6 ;//背景消去:手芸教室:消去 \ br  そんなこんなで、いつのまにか初めての教室も  終わりの時間になる。 \ br  色々不安はあったけど、  若葉さんのおかげで楽しい教室だった。 \ br  手芸欲も満たされた俺は、先生と若葉さんに  お礼と別れを告げた。 \ bg "haikei\h0004.jpg",10 ;//背景:知彦自室 【知彦】 「はぁ〜…」 \ br  家に戻ると、久しぶりに満足した気分の  自分がいるのに気が付く。 \ br  やはり俺には手芸が  似合っているという事なのだろうか。@  それとも…。 \ br  …そうか。@  きっとこれは、俺の中にある年上好きの血が目覚めて…。@  とかいうのとも違うな。 \ br  そう!@  なんていうか、初めて会ったキャバ嬢に  ドキッとしてしまうような…。 \ br  いかんいかん、若葉さんに失礼な例えだな。@  ごめん、若葉さん。 \ ;//SE:ドアノック音 br  ノックの音がした。 \ 【知彦】 「だれ〜?姉貴〜?」 \ ;//SE:ドア開ける音 vsp 45,1 :ld c,":a;cara\tomoko.001.jpg",10 【知子】 「なによ、いるなら返事しなさい。@  ゴハンだって言ってるでしょ」 \ 【知彦】 「メシ?」 \ br  時計は7時を指していた。 \ 【知彦】 「あ、全然気が付かなかった」 \ vsp 45,0 vsp 46,1 :ld c,":a;cara\tomoko.002.jpg",10 ;//立絵:知子:中央:呆れ 【知子】 「…まったく。@部屋でボーっとして、何やってたのよ?」 \ 【知彦】 「そういえば、姉貴も一応年上の女性なんだよな」 \ 【知子】 「一応って何よ」 \ 【知彦】 「…」 \ br  姉貴に近寄り、じっと顔を見つめる。 \ ;//立絵変更:知子:中央:困り 【知子】 「やだちょっと……な、なによそんなにジロジロ見て…」 \ 【知彦】 「姉貴…」 \ 【知子】 「う、うん…?」 \ 【知彦】 「ちっともときめかない」 \ 【知子】 「ハ?」 \ 【知彦】 「ううん。@  俺の年上好きの血が目覚めた訳ではなかったのか?」 \ 【知彦】 「それともこれは相手が悪いのだろうか?@  そうか、そうに決まってる」 \ ;//立絵変更:知子:中央:通常 【知子】 「…ったく。@  訳わかんない事言ってないで、さっさとゴハン食べな」 \ vsp 46,0 cl c,10;//立ち絵:知子:消去 【知彦】 「へいへい」 \ br  本当に…なんであのときドキっとしたんだろうか。@  …わからない。 \ br  いくら考えても分からないので、  俺は目の前の空腹を満たすことにした。 \ textoff bg white,10 bg "event\wakaba.jpg",10 wait 5000 goto *Opening